【回顧録】「FC Barcelona Tokyo」構想――早すぎた企画と、時代が追いついた日

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はじめに

今回は、かつて私が思い描きながら実現に至らなかった、ある企画についての回顧談をお話ししたいと思います。
振り返ってみれば、「時代を少し先取りしすぎた・・・」と一言で片づけられるのかもしれません。しかし当時の私にとっては、本気そのものでした。

バルセロナの友人たちを訪ねて

1995年頃のことです。私は一つの企画を携えて、スペインのバルセロナへと渡りました。現地の友人たち、そしてサッカー関係者に会うためです。

その企画とは、「FC Barcelona Tokyo」を日本に開設したい、というものでした。

今でこそ、海外の名門クラブが世界各地に拠点を持つことは珍しくありません。しかし当時、サッカークラブが海外に“支店”とも言うべき拠点を構えるという発想は、まったく存在していませんでした。私の話を聞いた人々は、一様に怪訝そうな表情を浮かべ、「雲を掴むような話だ」と口にしたものです。

構想の中身

私が描いていた「FC Barcelona Tokyo」の青写真は、次のようなものでした。

  • トップチームは、まず県の最下位リーグに所属し、段階を踏んでゆくゆくはJリーグへの昇格を目指す。
  • 2軍チームやアカデミーを併せ持つ、総合的な育成組織とする。
  • 優秀な選手は、本家FC Barcelonaへ留学させる。
  • コーチ陣はFC Barcelonaから派遣を受ける。

とはいえ、最初からこれらすべてを満たすのは現実的ではありません。そこで私は、段階的なスタートを想定していました。

  • まずはトップチームの選手を募集する。
  • アカデミーは、U-18とU-17の2チームの募集から出発する。
  • その後、順次、枠を増やしていく。

いわば、小さく生んで大きく育てる構想です。

幼児から少年、ユース選手、代表選手へと成長していく一人のサッカー選手の姿を左から右へ描いた、日本サッカーの育成と成長の過程を象徴するイラスト

二つの目的

この企画には、大きく二つの目的がありました。

  1. 日本人サッカー選手のレベルを引き上げること
    世界最高峰のクラブのメソッドを日本に直接根づかせることで、日本サッカー全体の底上げを図る。
  2. FC Barcelonaにとっての収益と知名度の獲得
    クラブにとっても、アジア市場における確固たるブランド拠点を築くことは、収益と絶対的な知名度の両面で大きな意味を持つ。

双方にとって利のある、Win-Winの構想だと私は確信していました。

没になった企画

実現に向けて必要だったのは、何よりも施設の確保と資金です。
私は方々を訪ね歩き、この企画の意義を説いて回りました。しかし報われることはなく、結局この企画は陽の目を見ることなく没となってしまいました。

当時の反応を思えば、無理もなかったのかもしれません。

前例のない発想は、どれほど筋が通っていても、人を動かすには時期尚早だったのです。

しかし、今はどうでしょう

ところが、時代は変わりました。

現在、FC Barcelonaは福岡、横浜、奈良などで、まさに私が思い描いていたような取り組みを実現させています。サッカースクールやアカデミーという形で、名門クラブの哲学が日本の各地に根づき始めているのです。

これを目にするたび、私は複雑な思いを抱きます。間違っていなかったという確信と、惜しかったという悔しさの両方です。

フットボールビジネスの軌跡と挑戦 を示した絵

大切なのは「時期」

仕事において、先を見越して布石を打つことは欠かせません。
しかし今回の経験が教えてくれるのは、どれほど優れたアイデアであっても、実現には“時期”が決定的に重要だということです。

早すぎれば理解されず、遅すぎれば機を逸します。

アイデアそのものの正しさと、それが社会に受け入れられるタイミングは、別物なのです。私の「FC Barcelona Tokyo」構想は、まさに「早すぎた企画」だったのでしょう。

余談:「壮行試合」の名づけ親として

最後に、少し余談を一つ。

現在、大きな大会に出発する前に行われる試合を「壮行試合」と呼び、興行として開催することが定着しています。実は、この「壮行試合」という名称を考案し、興行化を日本サッカー協会に提案したのは、私なのです。企画書を提出し、無事に実現へと至りました。

こちらは幸いにも“時期”に恵まれ、形になった企画でした。構想が実を結ぶかどうかは、やはりタイミング次第。そんなことを、あらためて感じています。

おわりに

実現しなかった企画の話は、どこか自慢話のようにも聞こえてしまうかもしれません。それでも、こうして振り返るのは、同じように新しい構想を温めている方々へのささやかなエールのつもりです。

あなたの描くプロアスリートを目指す夢の実現には、もしかしたら「タイミングが合わない」だけなのかもしれません。だからこそ、この時期と確信が得られるまで技術を磨き、諦めずに温め続けてほしい。そう願っています。

サッカースタジアムでのトレーニング風景

こちらのスペインのサッカースタジアムでのトレーニング風景には、国境を越えて真剣にボールを追う選手たちの姿が写っています。言葉や文化の違いを超えて人をつなぐ力を、私はここで確信しました。

「早すぎる」と言われるアイデアほど、相談する相手と時期が大切です。

あなたの構想について、よろしければ一度お問い合わせください。実現への道筋を一緒に考えます。

※ご相談は完全無料です

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